大和郡山の平屋 House in Yamatokoriyama
場所について
奈良県大和郡山市の住宅街に、この建物はあります。
施主のご夫婦は、30数年前にこの敷地の近くに土地と建物を購入され、70代後半になる現在まで、そこに住まわれていました。その家自体には大きな不具合があったわけではないのですが、奥様に日当りや通風が良い家に住まわせたいという、ご主人の思いから、近くの南西角地の敷地を購入したところから、家作りが始まりました。
住まい手について
当初は、4人家族で住まわれていた、現在の家をそのまま持ってきたような2階建てのプランを希望されていました。しかし、敷地の法規条件や、今後のことを考えた場合、平屋住まいのコンパクトな家が良いのではないか、という事務所側からの提案を受け入れてもらい、老後の2人住まいの小さい平屋の家づくりがスタートしました。
間取りについて
間取りは寝室と和室、そしてLDKといったシンプルな間取りになっています。
すべての居室に南面からの採光があり、庭に面しています。それらにより、通風と採光に優れた間取りとなっています。
庭について
すべての部屋に対して庭があります。庭は、住みながら使い方を考えてつくっていく方向で、土のままに残してあります。
2つある中庭は、「将来デッキスペースを作ってバーベキューをしようかな?」「どのような庭にしようかな?」といった具合。南側の庭も「庭だけだとメンテナンスできるか自信がないので、家庭菜園にしたいな~。」ということで、建物完成時には土のままにしてあります。
まとめ
敷地だけを見て、家を考えるのは大変難しいことです。
今回のお施主さんは、プランを描いたりするのが好きな方で、自分なりにプランを描いて敷地を購入されました。しかし、現実には敷地に壁面後退という規制があり、希望のプランは全く当てはまらないことが、購入後にわかるのです。
そのような局面で、大きく考え方を変えることができたことが、今回の家作りが上手く進んだところです。
あれもこれもではなく、必要なものを中心に希望にかなった家を考えることで、快適な平屋での生活が可能となり、結果として家作りが成功したように思います。また、ご夫婦だけでなく、ご子息の励ましもあり、家作りがスムーズに進めることができた、と後日談でうかがっています。
用途 | 専用住宅 |
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家族構成 | 夫婦 |
場所 | 奈良県大和郡山市 |
敷地面積 | 232.45m²(70.32坪) |
建築面積 | 88.90m²(26.89坪) |
延床面積 | 70.28m²(21.26坪) |
構造 | 木造 |
階数 | 地上2階 |
竣工年 | 2009年 |
写真撮影 | 藤原・室建築設計事務所 |