河内長野の大開口の家 House in Kawachinagano

このプロジェクトは土地探しからはじまりました。
夫は北海道出身。大学卒業まで地元で過ごし、自然との関わりをとても大切にしているようでした。プライバシーに関しても、「できれば道路側には窓をひとつも作りたくない」といことで、それらをふまえて土地を見ていきました。南側に林が生い茂るこの土地に巡り会えたことは、幸運でした。「林に向かって開けた家」という設計コンセプトが、素直に形づくれるのではないかと、お互いのイメージがピタリと共有できたからです。
景色と住まいの関係を考えて、半屋外的な、大きなデッキスペースが、住まいに入り込むようなイメージで設計を進めていきました。いったんLDKとデッキスペースを四角くまとめ、それから2つの三角形に区切ることにしました。室内からの視線の先にはいつもデッキがあり、デッキをふくめたスペースをLDKと認識させることで、外部との関わりが強まると考えました。デッキの上まで大屋根をかけると内と外の関係はさらに曖昧さを増し、境界がわからないほど林に向かって開けた住まいになりました。リビングを吹き抜けにしたのも林の景色をより楽しんでもらうためです。吹き抜けを設けることによって、林の全体が見え、自然が身近に感じられるのです。部屋の配置も、すべての部屋から林が望めるようにもしました。家族の距離感を近づけたいと考え、キッチン、リビング、ダイニングを三角形に配置しています。これもLDKを斜めに区切ったことで違和感なく計画することができました。
ファサードに窓は設けていません。そのため、外壁を白やグレーのモノトーンで仕上げると、周辺環境に対して圧迫感を与えると考え、グリーンとすることで、林に溶け込ませています。外部からの視線を遮断することで、安心してデッキのある暮らしをおくれるようになっています。夏は子供たちがビニールプールで遊び、友人達とバーベキューをしたり、涼しい日はご夫婦でバドミントンを楽しんでいると聞いています。

河内長野の大開口の家
用途 専用住宅
家族構成 夫婦+子供1人
場所 大阪府河内長野市
敷地面積 295.67m²(89.44坪)
建築面積 125.51m²(37.97坪)
延床面積 157.73m²(47.71坪)
構造 木造
階数 地上2階
竣工年 2011年
写真撮影 矢野紀行(矢野紀行写真事務所)

出版/受賞

2014年 01月
住まいの環境デザイン・アワード2014 大阪ガス特別賞
2013年 05月
住宅設計アワード作品集
2013年 04月
Archidailyに掲載されました
2013年 04月
DIVISAREに掲載されました
2013年 04月
大阪ガス「住まう」vol51大阪ガス住宅設計アワード2012
2012年 01月
大阪ガス住宅設計アワード2012 佳作

This house overlooks a beautiful vista, with a pond next to it and a forest on the opposite shore. We thought of creating a space where the client enjoys their everyday life overlooking the view. The client requested for us to design a house where they can enjoy the view and have fun with their friends. The spacious corridor from the entrance has a wide window on the opposite side facing the view, and each room is connected with this corridor. The free space, which runs the center of the house, is also a space where people can gather to eat and relax around a fireplace.

House in Kawachinagano
Use residence
Family a couple with a child
Location Osaka Pref.
Site Area 295.67 sqmt
Building Area 125.51 sqmt
Total Floor Area 157.73 sqmt
Structure wooden
Stories 2
Year 2011
Photographer Toshiyuki Yano (Toshiyuki Yano Photography)

Publishing / Award

January 2014
OSAKAGAS AWARD
May 2013
OSAKAGAS AWARD
April 2013
Archidaily
April 2013
DIVISARE
April 2013
osakagas
January 2012
OSAKAGAS AWARD