千里中央の家 House in SenriCenter

敷地は、道路の向こう側が緑地帯の斜面となっていて南向きでもあるため、開放的なLDKが2階にあるような雰囲気がいいのではないかと設計を進めていきました。
敷地の状況と、シアタールームやゴルフの練習場所として使える長方形の部屋が欲しいという要望から、コの字の居住スペースと独立したユーティリティルームのBOXの二つのボリュームの間に中庭となる隙間をつくるプランとしました。1階のプライベートエリアと2階のLDKそれぞれの階に中庭に面した大きな窓がありながらも、ユーティリティルームのBOXが道路からの目線を遮ることでプライバシーが確保されています。

眺望の良さと解放感をできるだけ享受するために、構造設計の段階から視線の抜けを演出しています。柱が空間に現れないような梁の架け方の検討と、それぞれ南向き、南東、南西とコの字の平面にあわせた3つの大きな窓の方へと視線を誘導する構造材の架け方のピッチやサイズの検討によって、構造的な合理性の美しさが空間の特徴になっています。
ユーティリティルームのBOXの上部はバルコニーとなっていて、LDKの吹き抜けに面した窓から外を見たときに、内部の梁、壁、バルコニーの壁、バルコニー屋根の梁と、レイヤーを重ねることで内部と外部の視覚的なつながりを生み出そうとしています。
梁が全体の雰囲気を統一しながらも、壁の木毛セメント板、キッチンの天然石や、中庭の水盤、外観の塗装など様々な質感の場所があります。空間が南に面しているので、日が差したときに水面が反射したり木毛セメント板は表面の凹凸の影が深くなったり、素材の表情の違いや変化を生活の中で楽しんでもらえるといいなと思っています。

千里中央の家
用途 専用住宅
家族構成 夫婦+子供2人
場所 大阪府
敷地面積 253m²(76.53坪)
建築面積 86.83m²(26.27坪)
延床面積 152.56m²(46.15坪)
構造 木造
階数 地上2階
竣工年 2024年
写真撮影 平桂弥(studioREM)