四万十の家 House in Shimanto

建築主のY様が探していた土地は、高台。
候補として、分譲地の幾つかが気になっているとのことで、一緒に見に行きました。
検討の結果、南向きの敷地と、1mの段差がある北側の敷地の、2区画の連続する敷地を購入することになりました。
Y様の希望は、2世帯住宅+オフィス。
オフィス、親世帯、子世帯それぞれに適度な距離感が欲しい、風通しが良い明るい家にしたい、というリクエストでした。
そこで、親世帯と子世帯+オフィスの間に、2つの中庭を設けて、プライバシーと南からの採光を確保。屋根を連続してつなげることで、一体感もある建物を提案しました。
建物内部の玄関は共有とし、玄関から、親世帯と子世帯に、動線が分かれます。玄関横に和室を設け、くつろぐスペースや客間として使えるようにしています。

建物北側には、親世帯のエリアと、洗面、浴室、WCがあります。建物中央部分には、子世帯のダイニングとキッチン、和室があり、各世帯が集まって食事などができるようになっています。子世帯のエリアの真ん中にも中庭があり、光と風を導き、犬が放し飼いに出来るスペースになっています。
中庭は土間にして、鉢植えの植栽を植えていく予定です。中庭と連続的に子供部屋があり、
1~2年後にはお子さんが巣立っていく予定で、その後は趣味の部屋として利用を考えています。建物の南側には、寝室、リビング、オフィスがあります。
将来、家族構成が少なくなった場合、オフィスを使用しなくなった時に、南側の敷地を貸したり、切り離したりすることも想定しています。
連続する屋根と、段差のある敷地が相まって、天井高さに変化をもたらし、それぞれのエリアに空間の抑揚が感じられることを考えました。

四万十の家
用途 専用住宅
家族構成 両親、夫婦+子供2人
場所 高知県四万十市
敷地面積 461.00m²(139.45坪)
建築面積 159.66m²(48.30坪)
延床面積 155.89m²(47.16坪)
構造 木造
階数 地上1階
竣工年 2014年
写真撮影 藤原・室建築設計事務所

出版/受賞

2015年 05月
A-Collection18