お便り

大阪府:Eghit Seasons

 もともと母が畑と園芸をしていた土地(約90坪)が自宅から歩いて約10分の場所にありました。母が80歳を過ぎて、「もうしんどいから、ここの使い道を考えて」と言ったのがすべての始まりです。土地には桜を始め、花桃、椿、つつじ、松など良い樹木、そして立派な石がゴロゴロありました。「路面の駐車場には絶対したくない」。そして家内はピアノの講師、私も趣味でアルトサックスをしておりましたので、遠慮なく演奏ができる場、できれば近所の人たちも利用できる集会所のような小さな家を建てたいと思うようになりました。

「建築・小さい家・平屋」などで検索すると、「藤原・室建築設計事務所」が出てきました。いろんな写真を観て、「ここいいかも」と思うようになりました。事務所が私の母校の近くだったのも親近感が湧きました。

 

数年前に訪れて印象に残ったイタリア・アルベロベッロ地域のツゥルッリの建物、万物のデザインといわれるコンストラクタル法則、防音対策、国産木材、日本一美しいトイレ、ピアノ上のドーム、縁側や全面畳など、幾度も難問をぶつけてようやくカタチが決まりました。

 

しかし内心、軽薄なラブホテルのような建物ができないだろうか、と不安がありました。

それらを払拭してくれたのが、建築工事を担当してくれた工務店さんと、外構造園工事を担当してくれた造園屋さんです。この方々は本物のプロです。

これらの方々とチームを組み、着工から竣工に至るまでとことん妥協無く言い合いました。  

結果、少々予算をオーバーしましたが、私たち自身心から納得できる建物となりました。

大事にしていた樹木や石も残り、母も大満足。建物の登記も住宅ではなく、「集会所」となり、小さな演奏会やライブ、マルシェ、卒業パーティ、ヨガ・フラダンスなど、たくさんの地域イベントが開催されました。1年経った今ではお年寄りから小学生まで、「ムーミンハウス」の愛称で親しんで頂いています。

 

 

 

 

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