大阪府:南河内の家 取材時の声
のどかな池を眺めウッドデッキの庭で過ごす田舎に暮らしたいという一家が見つけたのは、池に隣接する敷地だった。敷地の南と庭側には住宅があるが、東と北側には市が所有する大きな池、その向こうには林が広がる。住み手はこの風景と共に暮らし、バンド仲間と演奏をしたり、バーベキューを楽しむ住まいを希望した。
建築家の藤原・室 建築設計事務所さんは、もっとも眺望のいい西に向かって開く平屋を提案。池に面したリビングと、そこから連続するウッドデッキのテラスを配した。リビングからはテラスを介してのどかな風景だけを切り取る。テラスでは裸足で過ごし、家族との食事や友人たちとバーベキューを満喫する。テラスがこの家のもっとも気持ちのいい「過ごす庭」だ。
家の中央にはいろいろな使い方ができるフリースペースを設け、ダイニングとその北側に薪ストーブを設
置。そこは寒い季節に炎を囲む、もうひとつのリビングとなった。フリースペースは建物の中央を通路のように貫くため、南北に風が抜ける。その両側にリビング、キッチン、個室、音楽スタジオなどを振り分け、中央部分の天井には8カ所に天窓を設けた。暗くなりがちな冬でも自然光が降り注ぎ、室内はいつも明るい。天窓はリモコンで開閉ができ、暑い夏でも通風を確保している。
休日には友人たちが集まりスタジオで演奏をした後、池を独占するテラスやリビング、フリースペースで食事やお酒や薪ストーブを楽しむ。旅行好きだった家族も今は旅に行かなくなった。この家が「リゾートそのものになった」と、自然に囲まれた生活を仲間と共に満喫している。
ハンモックでくつろぐ猫