日々のこと
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長屋の改修について

年末にもなると、しばしばTVで豪邸拝見などといった特番を目にする機会がある。
しかしながら、・・億円豪邸なのになぜか安っぽい感じのビニルクロスが壁面であったりすることもある。でもある時期においてはあののっぺり感が刷新感となり、室内に光を乱反射させる ビニルクロス=新しい素材=新しいイメージ=豪邸にふさわしい新しい建材 として捉えられていたのかもしれない。などと勝手に考えている。

素材や仕上げに対するイメージは個人によって違うもので、先日素人ばかりで塗った漆喰壁をプロの左官屋さんが見てプロが仕上げたもの?だと感心していた。
よくよく話を聞くと如何に平滑に仕上げるか、如何に均質に仕上げるかと腕を磨いてきたのだけれど、最近はわざと不均質に仕上げて欲しいとか、鏝ムラを出すだとか、わざとバリが出来るように見せて欲しいだとかの要望が多いらしくて苦労しているとのこと。

古民家再生やら、長屋改修など古い家を改修して利用する事例は近年増加傾向にあり、その理由はさまざまであるが、そのなかで若い人たちが自分たちで長屋を改修、施工し利用する事は、その長屋で幼少に育っている人からみれば、“古い物“を再利用しているととらえられるが、どうやら若い人にとっては行為を含めてそれ自体が新しいイメージのものなのであるのではないかと感じる今日この頃。
 彼らにとってビニールクロスやマンションの均質に仕上げられた壁は古いものであり、完璧に仕上げられた仕上げもなんか違う、、、。単に和風といった風でもなく、洋風といった風でもない。長屋や古民家は、古いものの再生ではなく創意工夫を凝らして新しい何かができる、はじめのフィールドなのである。
nagaya