日々のこと

コミュニケーションのデザイン 好み

好み

建築主の方皆が、趣味があるかというと、そういったことは無い。
特徴のある希望や趣味が無くても、デザインの方向性を左右するものとして、好みというものがある。
この好みは結構デザインを考える上で重要であったりする。
例えば、白い壁が好きか、グレーの壁か好きか、黒い壁が好きかといったシンプルな好みの違いで、空間のデザインが随分と変わる。
同じ空間でも、壁の色が違うと、光の反射具合が全く違うので、最終的に達成したい明るさが同じだとすると、窓や開口部の取り方がぜんぜん違うことになる。
そういった要素は、空間には沢山あるので、挙げればきりがないくらいだ。
好みを聞いたり感じたものを提案し、リアクションとフィードバックをもらう、ということをし続ける。
建築主にとっても依頼する前に想像していたものが、そういったプロセスを経ることで新たな発見がある。
その建築は特徴がありながらも、使う人に取って自然な居心地良さになっていく。