日々のこと

平屋について ランドスケープと建築

ランドスケープと建築

事務所の方針の一つとして、敷地が広い場合、状況によっては敷地全体を使うことを想定した、建築物を考えるようにしています。

一般的な住宅計画では、敷地に建物を置いて、そのあと、外構という形で塀を付け加えます。
そうなると、建物をあまり関係のないスペースが出来上がったり、取ってつけたような塀に囲まれた家が出来上がったり。

羽ノ浦の家 スケッチ

徳島の南の方、阿南にある羽ノ浦の家のスケッチです。

こちらの家は、元々お父さんが持っていた畑と実家の蔵を解体して、建てた住まいです。

敷地を見に行くと、周囲には田畑が多く、建物が点在している地域でした。

ポツンとある土地で、ここに2階建ての家を建てて、塀を付けるととても違和感があるイメージも思い浮かびました。また実家とのつながりもつくりたい、という希望。

実家とのアクセスを考え、建物を平屋に。

ファサード

また周囲には築山をつくり、山も含めて植栽を植えることで、周囲と緩やかに繋がる建物を提案しました。

家族一人一山というイメージで、好きな植物を植えていくことで、家の外観だけでなく、中から見た景色にも変化が生まれます。写真は竣工直後の写真で何も植わっていませんが、後日訪問した際は、着々と植栽が植わっていっていました。

また、写真を見ると家の中が見えるのではないか?という疑問が出てくると思います。
いつもは、家の外から家の中が見えにくい様、配慮して設計しています。
羽ノ浦の家は、建築主の方の希望として、前面道路を通る人がほとんどいないので、窓を大きく取ってほしい。
周囲から見えることは気にならないので、家の中から外が見える開放感のある住まいにしてほしい。

という要望があったからなのです。