日々のこと

コミュニケーションのデザイン

小さいものが街並みをつくっている

住んでいる周辺を散歩する周りの景色。電車で移動する車窓から見る家が並んでいる風景。車から眺める町中の様子。

日常の風景は建物であふれており、人は特徴的な場所、あえて向かう観光地の風景でないかぎり周りを眺めることは無いかも知れない。

有名な建築物を目指して足を運ぶけど、その建築物周辺の風景は限定的で、街並みとしての風景にはならないかと思う。

施設などの大型建築物は個人的なコミュニケーションとは違い、企業という大きなシステムの中で出来上がりがちで、人が感じられる建築にはなりにくい。小さい建築である小売店とか、個人住宅のほうが人の肌感があるのかもしれない。

しかしながら住戸が建ち並ぶ風景は、ハウスメーカーや建売の住宅が広がり、人の肌感があるかは疑問ではあるが、これが現在の家づくりに対するコミュニケーションの結果としての風景とすれば、コミュニケーションの仕方においても、なんらかの原因があるのではないだろうか。

古い街並みや集落の風景は、その風土や気候などとの対話により形成されていたと思う。現代はそういった対話もなくなってしまっているのではないだろうか。

風景は小さい建築、特に住宅群からつくられている。もう少し敷地との対話、住まい手や作り手との対話によって風景が変わっていくのかも知れない。

コミュニケーションのデザイン 中庭

中庭とはいっても、大きさ、形状、使い方はいろいろあります。

中庭を作ってみたいというクライアントとの希望がありますと、中庭についていろいろ話し合うことになります。

中庭に緑を育てたいけど、虫などが気になるなどの少し相対する内容により温室空間であるサンルームを取り入れたり、庭に出て過ごしたいという話で、縁側空間が出来上がるなど、中庭についての話し合いを続けるだけでも提案が広がっていきます。

中庭に植栽を計画する場合は、専門業者である造園家の方とのコミュニケーションが重要で、中庭の提案の可能性が広がりプランが面白くなることが多いです。

クライアント、造園家さんと、私たちとの間で魅力的な外部空間が出来上がることも期待しています。

コミニュケーションのデザイン

言葉では無いコミニュケーション

こんな感じが好みであるということを、言葉で表現することも重要かなあと思うのですが、やはり最近では画像情報が過剰なほど目に入り込み、コミニュケーションの役割をしています。

打ち合わせのときには、よくクライアントさんから頂いた画像を見て、家の計画の方向性を想像したり、また細かい用途的な要望を視覚的に理解したりと、言葉ではないコミニュケーションも、良く理解し合うのには大切なことだなぁ、と思っています。

画像を一緒眺めながら、あれこれとおしゃべりをしていくと、さらに新しい発想が得られる場合もあり、その点が一番私たちが求めていることでもあります。

コミュニケーションのデザイン4: 時間とつくりあげるデザイン

時間とつくりあげるデザイン

話し合いも、時間をかけると分かってくることが沢山でてきます。

話し合った内容を、時間、日にちが経過し後に考えるとまた違った解答が頭に浮かんで、その内容を次の打ち合わせなどで話し合い、プランの改良に結びつくことがあります。

時間が過ぎていくのは、過ぎていくだけでは無くて、熟成されていく面があり、即決ばかりでは無く時間をかけてゆっくり話すことも建築が出来上がるうえで必要なことだと考えています。