日々のこと

コミュニケーションのデザイン2

狭小住宅へのコミニュケーション

事務所を設立し、計画案件として多かったのが小さい敷地に建てる家でした。

15坪以下もあれば、20坪くらい大きさでも、間口が狭かったり、変形地だったりといった敷地の計画です。

小さい敷地は標準的なスケール感とは違う計画をしないと家の機能が収まらないので、そういった普通ではないスケール感の提案を、クライアントと話し合うことが必要です。例えば、浴室が四角のかたちで収まらないので長方形になるとか、子供部屋が2帖くらいの大きさだとか。天井高さが2メートルになるなどです。

通常の大きさの家の計画よりクライアントと話し合う内容が多くなります。

小さい家の計画からがコミニュケーションのデザインの始まりなのかも知れません。

様々な用途、規模、要望の案件を設計させてもらっている今、話し合うことはコミニュケーションのデザインを創り出す基本となっています。

コミュニケーションのデザイン1

はじまり
藤原・室建築設計事務所も設立して20年以上が経過している。
アトリエの設計事務所としては沢山の設計に携わってきた。実績を見てみると、いろいろな地域で様々なデザインの空間を設計してきたことがわかる。
若くして設計事務所を立ち上げたこともあり、建築主の方は当初は年上の方ばかり。設立当初から事務所のある大阪以外での仕事が継続してあり、打合せするときはその地域のことを教えてもらったりして、進むのが通例であった。
20代~30代前半のわたしたちとしては、設計のこと以外は知らないことばかりで、住まい方はもちろんのこと、地域の状況を聞きながら設計をするスタンスが自然と出来上がってきた。
設計するにあたっては、そのあたりを当事者とコミュニケーションを取ることで、デザインやプランにつながるようなアイデアが検討しやすい。
その土地が持っている方向性や、希望などの方向性をつなげながら、それらを如何に組み合わせて伸ばしていくかというイメージ。
住宅の設計においては、家族の関係性も聞いてみるといろいろな形があり、目には見えない家族の関係性というものに対して、空間のアイデアが求められる。
一軒家を建てるということは、マンションや規格住宅では満足できないものがどこかにあるもので、潜在的にやりたいことがあることが多く、奇をてらったものを最初から目指しているのではなく、いろいろ打合せをしながらつくっているうちに、最終的にすぐには理解できない空間構成やデザインにたどり着くことも多い。
地方に行くと、近隣との関係性は都市部とは大きく異なることも多く、塀や玄関や窓といったプライバシーに関係するところは、都市部とはまた違った設計が求められたりすること多々あった。
それらは、建築家として普遍的なコンセプトやデザインを考えて提案するといったような、それまで学校で学んできたモデルとは違う世界であった。
長野県や徳島県での設計では、近隣に住む親族との関係を建築の配置や外構の導線に組み込んだり、窓の設置を目線をどのように外部と関係させるかを検討したりした。
三重県では母屋との規模を調整したり、高知県では、近隣の方と密接に交流する習慣がある地域とのことで、家に帰ると近所の人が家の中でお酒を用意して待っているとかだそうで、玄関から家の内部まで地域との関係性をプランに取り込んだりということがあった。
都市部に生活している私達には少し想像しづらい、微細な関係性がそこにあり、都市部でみられるようなプライバシーを防ぐなどといった単純な条件ではない、複雑な条件がそこにはある。

神奈川:葉山の家 HPに公開しました

 

神奈川:葉山の家をHPに公開しました

クライアントから犬と過ごせる中庭が欲しいという要望等があり、計画が始まりました。

外観は角を丸くして柔らかな表情にまとめていき、建物側面から中庭に入ります。

中庭には寝室、浴室が面していて、隣家を気にせず過ごすことができるようになっています。

中庭を中心とした、立体的な繋がりが特徴の家となっています。